■ワイナリーについて
バルセロナの町で12年に渡り薬剤師として生計を立てていたアモス バネレスが都会での生活に嫌気が差し、母方の家族が所有していた5ha余りの荒廃したブドウ畑を受け継いだのは未だ2011年の出来事。
ペネデスの伝統品種であるシャレッロ・マカブー・パレリャーダの古木を礎とする家族の伝統に、アモスは自分自身の選択としてガルナッチャを少々丘の上に植える事でスタートを切りました。
ペネデスは長らくカヴァ生産を最大の地場産業として日々の暮らしを送ってきた小さな村。
アモスの一族もその例外ではなく、生産するフルーツの大部分を同地区を代表するカヴァワイナリーに納め生計を立てて来ました。
しかも雀の涙程しか利益を出せない様な、考えられない程の安価な値段で。
そこで薬剤師として業務に就くかたわら、アモスはいつしか小さな野望を抱く様になりました。それはカヴァ産業最大のゴリアテとも言えるワイナリーのお膝元であるペネデスに地盤を置くアモスの一族にとって、一代決心とも言えるものでした。アモスは毎年年貢の様に納めていたブドウを最小限のボリュームに抑えて、自分自身の名前でワインを作る事を決意したのです。
彼のワイナリーは廃屋となった小さな牛乳工場跡地に立つ小さな小屋。地元に住む友人達の力を借りながら、ペネデスの次なる世代を担う子供達の暮らしがより良いものとなる様願ってマイクロバッチのワイン作りを続けています。