産地:フランス、ブルゴーニュ 品種:ピノノワール100%(手摘み)
【輸入元資料より】
ペルナン・ヴェルジュレス村 Les Combottes で育つピノノワールを
全房でピジャージュしながら醸し・発酵し古樽で熟成後、ステンレ
スタンクで追熟しました。
黒ルビー色、ブラックベリーやブルーベ
リー、ナツメ、ブラックチェリーの香り、果実味とタンニンがしっかり
としたアタック、丸みのある味わいは複雑味があり、なめし皮や土の
香りがアフターに感じられます。
【生産者について】
Domaine Petit Roy(ドメーヌ・プティ・ロワ)
フランス/ブルゴーニュ地方
2017年、ブルゴーニュ/ショレイレボーヌでドメーヌ・プティ・ロワを立ち上げた斉藤政一
氏は、1982年中国生まれ。
幼少期は中国北部で育ち11歳で日本へ帰国。東京農
工大在学中に、砂漠化の分析で中国を訪問した時、現地でぶどう栽培がおこなわれ
ていたのを見てワインに興味を持ちます。
砂漠化という環境問題は経済と密接な関係
を持っており、ただ緑化するだけでは根本的な問題解決にはならない事、そしてその土
地に合った作物、なおかつ経済効果のある作物を植えて育てていかないと継続的な取
り組みができないと感じた事。
中国訪問をきっかけとして「ワイン用のぶどう栽培」が、砂
漠化問題解決にぴったりと合致している、糸口になりうるとの考えにいたります。
ぶどうは
水分ストレスに強く、しかも原料を加工することによって付加価値が上がるため、緑化と
経済効果をもたらす作物だからです。
この経験と考えが知らず知らずのうちに彼の人生を決定づけます。
ワイン造りをもっと
知りたいと思うようになった彼は、在学中から日本のワイナリーを廻るようになります。そし
てその後、長野県の小布施ワイナリーで研修を開始、自然に本場のワイン造りを見た
いという欲望が湧いてきます。
2006年に渡仏。ブルゴーニュで本格的にワイン造りの勉強を開始すると同時に、著
名なワイナリーでぶどう栽培と醸造の仕事の経験を積み始めます。
(シモン・ビーズ、ジャック‐フレデリック・ミュニエ、アルマン・ルソー、リュイ・シェニュ)
ワインの魅力にのめり込む彼がいつしか自分自身のワインを造りたいという夢を抱くよう
になるのもこれも自然の流れです。
彼の真骨頂は、ここで焦らずにじっくりと経験と準備を積み上げ始めたこと。技術、知識、経験、資金を蓄え現地
での人間関係を広げ、自らのポテンシャルを高めていきます。
ワインの勉強、仕事以外に、ボーヌに『ラ・リュンヌ』という和食店を立ち上げ、さらにはワイン機材の輸出を手掛ける等、自らがオーナーとなるビジネス
も合わせて手掛け、栽培と醸造の仕事をしながらいつか自分のドメーヌをと2足3足のわらじをはき続けます。
その努力は身を結ぶまでに10年の時がかかります。
まずは2016年にネゴシアンの「メゾン・プティ・ロワ」を立ち上げます。
デビュー作となる『アルテス』はサヴォワの友人のブドウを買い、醸造所を借りて仕
込んだキュヴェになります。
そして遂に! 2017年に「ドメーヌ・プティ・ロワ」を立ち上げ、自社畑をもち、ショレイ・レ・ボーヌの現在の場所へ引っ越しをします。地下のカーヴを整
え、隣接してる古い建物を工事して住居とし、奥様、娘さん2人の家族4人で生活をされております。
オート・コート・ド・ボーヌに1.2haの土地を借り、そこには0.8haのピノノワールが植わっております。他に、ポマール村に1haのピノノワール、サヴィニー近
郊に0.2haのアリゴテ、0.1haのシャルドネの畑があります。最終的にはブルゴーニュで4 ~ 6haのぶどう畑を持ちたいという目標を持っていますが、現在は
合計2.5haの土地をもち(借り)、2.1haの畑でブドウを栽培しております。
11歳で日本へ、22歳でフランスへ、33歳という若さでブルゴーニュでドメー
ヌを立ち上げた斎藤氏。
『11年というサイクルで新たな挑戦が回ってくる人生なんですよね』としみじみ
語ります。
次の11年を迎える44歳になった時の彼が見てる風景は?そしてその時の新
たな挑戦とは?大きな挑戦を続ける生産者とのお付き合いは紹介する側
も興奮を隠せません。
どこか中性的で風をまとっているような爽やかで淀みない雰囲気の彼の人
間性はワインにも本当に素直に表現されております。
「日本人がブルゴー
ニュでワイン造り」、そんな話題性よりもずっとワインが彼について如実に語っ
てくれます