☆吹きこぼれやすくなっていますので、開栓時ご注意ください
開栓時は充分に冷やし、静かに少しずつ王冠を開けるようお願いいたします。
●キュベに込めた想い
『自分たちのデラウェアでクリアなつくりのペットナットを作ってみたい』
私たちはデラウェアがワイン用ブドウとして高いポテンシャルをもっていると考え、自分たちが育てたブドウを様々なスタイ
ルのワインに仕上げてきましたが、21VT はペットナットでの表現にも挑戦しました。
全てのキュベにおいて、できる限り何も加えずブドウだけからワインをつくることを心がけているのですが、フジマルの人気
キュベ「Petit Petit」のように瓶内 2 次発酵のスパークリングワインだけは糖と酵母を加える必要があります。もちろん、そ
のようなシャンパン方式の泡も魅力的ですが、今回はデラウェアの美味しさだけがギュッと詰まったアンセストラルなペット
ナットを作りたかったのです。
さらに、ペットナットというと濁りを残したままのタイプが多いイメージですが、今回はフジマルのデラウェアのエッセンスをク
リアに感じられるようなタイプを目指しました。
●ぶどう・ワインつくり
2021 年は収穫期の断続的な雨に悩まされましたが、7 月の快晴続きでしっかりと陽の光を浴びていたぶどうたちは、8 月
中の酸の落ちは少なく、糖度・酸度共に比較的高いレベルを確保しながらバランス良い状態で収穫することができました。
ペットナットには高いアルコール度数は求めずに、収穫中盤の糖と酸のバランスが良く、香りが良く出ているデラウェアを
中心に仕込むことにしました。
日本ワインでは濁りのあるスタイルがかなり肯定的に受け入れられるようになり、ワインにおいても濁り=旨味という認識で
むしろポジティブに考える方も増えてきましたが、このペットナットに関しては、グラスに入る情報はあえてシンプルにデラ
ウェアのエッセンス!です。
といってもデラウェアの澱の旨味は大事なエッセンスの一つなので、デゴルジュマンまでは澱をたくさん含んだ状態で熟成
してしっかり抽出。
大阪デラウェアの決して華やかではないけれどもリラックスさせてくれる穏やかな香りが泡と一緒に広がり、食欲をそそる
バランスの良い酸、そして広がる旨味がきっと食事にピッタリと寄り添ってくれる。そんなペットナット。
特に和食との相性はとてもいいと思います。
●テクニカルノート
熟したデラウェアを全房でダイレクトプレスし、樹脂の開放タンクで自然発酵。
デブルバージュはせずにやや強めのガス圧になるように発酵中盤でボトリングし、多くの澱が存在して
いる状態で約 1 年の瓶内発酵を行いました。デゴルジュマンによってできる限り澱を除去し、ドサージ
ュはしていません。
原料:デラウェア(大阪府産 100%)
内容量:750 ml アルコール分:11%
総酸度:7.1 g/L 総亜硫酸:2.2 ppm 遊離亜硫酸<1 ppm
製造者:株式会社パピーユ 製造場:島之内フジマル醸造所
無濾過無清澄のため澱が生じることがありますが、品質に問題はありません。必ず15度以下での保管をお願いいたします。
フジマル醸造所(島之内・清澄白河)の成りたち:
2010年、ワインショップFUJIMARUやカーヴ・デ・パピーユなどワインショップを経営する株式会社パピーユが、ボランティア数名とともにカタシモワイン&フード(通称カタシモワイナリー)より、柏原市大県(おがた)にある『堂の内畑』(マスカットベリーA)を借り受け、カタシモワイナリー内にて委託醸造を開始、『ドメーヌ・デ・パピーユ』ブランドのスタート。2011年、耕作放棄地であった『岩崎谷畑』を大阪府の外郭団体みどり公社の斡旋で地主さんより借り受ける。再開墾し垣根仕立てのぶどう畑(メルローなど)を造成。2012年、高井田にてデラウェアとベリーAの畑を新たに賃借。また、羽曳野市の飛鳥ワインにて太子町のデラウェアを委託醸造。2013年、大阪市中心部、島の内にて醸造所を設立。自社畑産ブドウのほか大阪や日本各地から買いブドウを仕入れて醸造しています。日本でも類を見ない都市型ワイナリー『島の内フジマル醸造所』です。2013年以降はすべて島之内フジマル醸造所にて醸造。そして2015年8月には東京・清澄白河にフジマル醸造所をオープン。こちらではおもに東日本のブドウ栽培農家さんから原料葡萄をわけてもらって醸造しています。
ぶどう造り:
約2haの自社管理畑のブドウから造ったワインは「キュベパピーユ・シリーズ」としてリリースしています。その他に日本各地から質の良いブドウを仕入れ醸造を行っています。自社管理畑ではボルドー液以外は年に2~3回ほどの防除のみと減農薬を心がけ、農作業はすべて手作業で注意深く行いました。収穫されたブドウは選果、粒よりし健全な粒のみを使用。ワインをお飲みになるお客様の顔を想像しながら、スタッフとボランティアの方々とで力をあわせワインを造りました。本当にたくさんの人に手伝っていただいたおかげで私たちのワインは出来上がっています。